1年余りにわたりトランプ米大統領を満足させようと取り組んできた後に、事実上全ての米国向け輸出への関税賦課を突き付けられた中国は、強硬策の用意があるとのシグナルを発している。
中国当局は1ドル=7元を超える人民元安を容認するとともに、国有企業に対し米国産の農産物輸入の停止を要請。貿易戦争を著しく激化させた。
トランプ大統領が中国製品への追加関税の計画を発表した翌週、中国側は動いた。大統領は中国に対し輸出企業を支援するために不当な為替操作を行い、米国産農産物の輸入を増やす約束を守っていないと強く批判しているが、中国は今回、まさにそうした米国側が最も嫌がる点を突き、大統領の主張を逆手に取り反撃に出ようとしている。
米中間の対立激化を受けて、5日のアジア市場では株式相場と通貨が下落、安全資産と見なされる円や米国債、金(ゴールド)は値上がりした。
ラボバンクのアジア金融市場調査責任者マイケル・エブリー氏は「これは最悪のシナリオの1つだ」とし、「まず市場で一斉売りが起こり、トランプ大統領が朝起きれば、事態はさらにはるかに悪くなる」と話した。
トランプ大統領は先週、中国からの輸入品さらに3000億ドル(約31兆7800億円)相当に9月1日から10%の関税を課すと発表。中国側は米国が追加関税賦課を強行するなら対抗措置を取ると表明していた。
アジア株はほぼ全面安となっており、MSCIアジア太平洋指数は3月以来最大の下落に向かっている。中国人民銀行(中央銀行)が昨年12月以降で初めて1ドル=6.9元より元安水準に人民元の中心レートを設定した後、オンショア元相場は上海時間午後1時1分(日本時間同2時1分)現在、1.3%安の1ドル=7.0292元。
原題:China Hits Back at Trump With Weaker Yuan, Halt on Crop Imports、China Hits Back at Trump With Weaker Yuan, Halt on Crop Imports(抜粋)
2019-08-05 06:31:00Z
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-08-05/PVR2VJ6S972L01
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