日本車の絶頂期だった’80年代の名車たちに“高騰”の波が押し寄せている。超プレミアマシンと化した’70年代車のような状況ではまだないものの、現実的な価格で入手できる時間的猶予はそう長くないだろう。本記事では2ストレプリカブームの祖となったヤマハRZ250の状況を中心にレポートする。
2ストレプリカの祖を車検レスでとくと味わう
環境規制で2ストロークに逆風が吹いた’70年代末期。魅力的なモデルの少ない250ccクラスの人気が低迷していた時代でもあった。そんな状況を一撃でひっくり返したのが「RZ250」だ。
レーサーTZの市販バージョンとして誕生したRZは、ナナハンに匹敵する加速性能と、鈍重な4スト400を圧倒する139kgの軽い車体、市販オンロード車初のモノクロスサスなど、前例のない装備のオンパレード。2ストのヤマハと呼ばれ、WGPで活躍してきた同社が「最後の2ストローク」の気概を込めて放った一撃だった。
たちまち大ブームを巻き起こし、当初は納期が半年待ちの状態。RZに続くべく、各メーカーが奮起し、後の2ストレプリカ全盛時代が花開く契機となった。また、RZで爽快な2ストの虜になったライダーも数多い。
さらに’81年には、+10psの45psにパワーアップし、フロントダブルディスクの「RZ350」まで登場。’84年までに生産累計10万台を突破しており、現存する個体数は今なお豊富。とはいえ相場は年々上昇しており、既に重要文化財レベルだ。今後もこの傾向は続くと見られ、タマも古くなる一方。’70年代レジェンドの域に近づく前に押さえておくべきだろう。
RZ250:各年式のポイント
初期型 ’80~’82モデル:元祖RZ
’80年デビューの初代RZはパール白×赤、黒の2色。’82で350と共通ライン入りの白と黒を投入した。加速のほか、深いバンク角と安定した旋回性も絶賛された。
2型 ’83モデル:新フレームにYPVSを獲得
’82年モデルではビキニカウルのRZ250Rに進化。排気デバイスのYPVSを獲得し、43psとなった。フレームを変更し、リヤはドラムブレーキからディスクブレーキへと進化した。
3型 ’84~’85モデル:別体サイレンサー
2型のデビューの翌年、’84年型ではハーフカウルとセパレートハンドル、別体サイレンサーでレプリカ度を高めたRRを追加。オプションパーツでフルカウルにもできる。
4型 ’86モデル:フレームを変更
3型から大きく変わり、4型ではフレームやホイール、外装を変更し、7kgマイナスの136kgに。合わせてタンク、シートなどのスリム化も果たした。
最終型 ’88モデル:前後17インチに
前後輪を中空3本スポークの17インチに変更。セパレートハンドルをアルミ鍛造とし、フロントディスクをフローティング化。CDI点火も採用。
実例物件サンプリング〈RZ250〉ノーマルから350cc仕様のフルチューンまで選べる
- 相場:110万円前後(約70~200万円)
- タマ数:多い
最も売れたのは初期型で、現代まで生き延びた個体は多いが、プレミア相場で100万円超が普通だ。ただし登場が40年前なので、状態は本当に様々。多くは外装はキレイながら、機関などにヤレが見られるものが多い。当時流行した250ccから350cc化した車両や、ノーマルもチラホラ。200万円近く出せば、フルカスタムの現役バリバリ仕様か、美麗フルノーマルが選べる。
サンプル1:ノーマル車の場合
程度の良いノーマル車は100万円前後からスタートし、180万円程度までと価格に幅がある。車体色は初代の白×赤が最も多く、黒は少数派。
サンプル2:350cc仕様の場合
350のシリンダー+ピストンなどでボアアップが可能。350㏄化すると相場が上がるが、写真の個体は比較的手頃で状態も期待できそう。
サンプル3:コンプリートカスタムの場合
フルレストア&フルカスタム仕様は人気かつ高値。写真の車両は受注生産車で、エンジンをオーバーホールし、リヤサスとスイングアームも換装する。
サンプル4:後期型なら安い
’86年型(1XG)以降は初代RZの面影が薄まるせいか、相場もかなり抑えめ。とはいえ、極上車なら100万円超の値札がつく。最終型(3HM)は1XGよりさらにタマ数が少ない。後期型は細部が改良され、故障が減っているのもポイントだ。
実例物件サンプリング〈RZ350〉ネイティブ350はやはり貴重な存在
- 相場:160万円前後(約130~190万円)
- タマ数:少ない
ナナハンキラーとして名高いRZサンパン。10mmボアアップで100cc増とし、45psを誇った。250の登場から1年後に追加されたが、車検制度の関係から国内では人気を得られず。’84年型を最後に姿を消した。北米では「ポケットロケット」の異名を取るなど支持を得たが、国内でのタマ数は少ない。250の350cc化も行われ、純正350の存在意義が薄かったようだ。相場は250より高め安定で、ノーマルが多数派。150万円以降の層が厚い。
サンプル:ノーマル車両が中心に
写真の車両は外装、エンジン外観も整ったノーマル仕様。修復歴もなく、走行距離も7962kmと少なめだ。
〈参考〉当時のライバルだった4スト400は大化け!
RZが登場した’80年当時、250にライバルは不在で、2輪誌ではもっぱら4スト400㏄と比較されていた。RZもプレミア価格だが、当時の宿敵はそれ以上。’70年代の国宝級のマシンにまでのし上がっている。特にCBX400Fの人気は凄まじく、300万円超が普通だ。
サンプル1:HONDA CBR400F
可変バルブを備えた空冷NKで58psを誇る。昔は安かったが、独特のフォルムが見直され、平均170万円程度まで上昇。写真はノーマル・ワンオーナー車。
サンプル2:KAWASAKI Z400FX
Z1000MkIIのヨンヒャク版と呼ぶべき存在で、中型の男カワサキを代表する1台。当時から人気が高く、今ではフルレストア車に約350万円の値がつく。
サンプル3:HONDA CBX400F
昭和を懐かしむ世代に大人気で平均相場250万円台、フルノーマルで400万円超。奇跡の新車レベルだと800万円。意外にもタマ数は少なくはない。
●文:田宮徹 ●販売車両画像提供:グーバイク ●取材協力:グーバイクおよび各バイクショップ
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August 22, 2020 at 05:30AM
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