その理由が「コース形態」。中京1800mはスタートが上り坂、かつ残り約1000mまで緩い上りが続くので、前半のペースが上がりにくい。外枠からいい位置を取りに行くと脚を使ってしまうことになるし、控えるとロスのある進路取りになる。
さらに3-4コーナーが下りで、騎手が直線の長さと坂を意識して少し脚を溜めるので、直線で再加速する流れになる。このコース形態により、脚を使わずにロスなく走ることができて、力を出し切りやすい内枠が結果を出しやすくなっている。
またチャンピオンズCに関しては、人気馬が内枠に入っていることが多いことも、内枠有利に見えるデータを作り出している原因になっている。馬番10番より外で1番人気の馬は3頭いたが、19年2着ゴールドドリーム、17年2着テイエムジンソク、14年12着コパノリッキーと、1頭も勝てていない。
しかし、敗因を分析してみるとコパノリッキーは出遅れ、ゴールドドリームとテイエムジンソクが負けたのはそれぞれクリソベリル、ゴールドドリームで、相手が悪かったとしか言いようがなく、あとから見れば納得できるもの。外枠だったから負けたといえる結果ではない。
また、過去6年の勝ち馬の馬番は、9番より内。ただ、人気を見ると2、1、8、6、12、2で人気薄も来ているが、全馬フェブラリーS、または1800m以上のGI/JpnIを勝っていた。12番人気で勝ったサンビスタは、牝馬限定のJBCレディスクラシック勝ちだが、前年チャンピオンズC4着の実績はあった(ハイペースの前崩れもハマっていた)。
今年の出走馬のなかでフェブラリーS、または1800m以上のGI/JpnI(芝は除く)を勝っている馬はゴールドドリーム、チュウワウィザード、モズアスコット、インティ、クリソベリルの5頭。さらに直近1年の1800m以上の中距離に絞ると勝っているのはクリソベリル・チュウワウィザードの2頭だけ。
それも、チュウワウィザードが勝ったのはクリソベリルが不在のレース。該当馬の少なさが表しているように、現状のダート界の中距離路線はトップクラスが強すぎるため、例年以上に「格」の違いが結果に出ている(19年東京大賞典勝ち馬で、帝王賞2着・JBCクラシック2着のオメガパフュームが東京大賞典に専念してしまうくらい)。
中央GIで1番人気が7連勝中で、穴から勝負したい気持ちは理解できる。ただ、この現状を無視して、外枠だから買わないという判断は危険な考え。「格」を重視して予想を組み立てることにより的中に近づけるはずで、勝ち馬が出ていない馬番10番より外に入ったが「格」が上のクリソベリル、チュウワウィザードを中心に考えないといけない。
ウマい馬券では、展開や各馬の適性など全馬の評価を記載しています。買い方が重要なレースでもあるので、買い方も含めて最終結論にご注目下さい。
(文=nige)
国内無敗を誇るクリソベリルの牙城は、今度こそ崩せるのか? チャンピオンズCをnige、吉冨隆安というダートのスペシャリストがさまざまな観点から攻略。さらに調教捜査官・井内利彰は追い切りの様子をジャッジ。以下よりご覧いただき、ぜひとも皆様の予想にお役立てください。
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December 05, 2020 at 06:33PM
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